使命と理念、その守破離  

自然に認識できる『あり方』を見つめなおす (1997年10月起業)  

現代社会は、過剰な情報受発信、コミュニティの求心力喪失、変革への強烈なプレッシャーによって、確固としたマス・パラダイムの再構築を許しません。パラダイムを再構築しようとすると、ますます既存の大きな体制や組織は閉塞し、さらに迷走する状況に陥ってしまいます。 

社会の構成要素としての「人間」に本質的変容が無いと仮定すると、新世紀を担う私たちはもっと自然に立ち戻ってもいいのではないでしょうか。実現不可能な「あるべき姿」を皆で夢想するのではなく、自然に認識できる「あり方」を見つめ直し、その実現と実感を目指すべきではないでしょうか。 

意志を持ってビジネスの自然なあり方を具体化する (1998年2月創業)  

ビジネス社会においても、同じ問い掛けが有効です。ビジネスが善であるのは、それが社会の多く人々に実感的幸福をもたらすからです。ビジネスが創出する物理的・精神的生活財・サービスが世の人々に満足感をもたらすこと、それを「価値」と呼ぶとき、その価値が自然に創出されるビジネス環境のあり方こそを我々は用意し、支援していくことが大切ではないでしょうか。 

ビジネス環境の自然なあり方、それは当事者意識を持ったリーダーシップのある個人の集まり・ネットワークを創ることに始まります。心から希求する価値を、誰よりも自信をもって上手く多くの人達に提供したいと願う個人が、仲間達と企業をつくり、ビジネスを立ち上げていく。 そんな自然なビジネスの「あり方」を用意し、支援することに全力を尽くしたいと想い集まったのが、我々ウィル キャピタル マネジメントの仲間達です。 

我々は、価値創りに熱中できる高い意志・アスピレーション・事業哲学を持った仲間達、事業家や資本家とともに、新世紀に相応しいビジネスの自然なあり方と多様な生活価値を持つビジネス群を、一緒に楽しみながら具現化していきたいと思います。
これが我々の「使命と理念」です。 

使命を継承発展させる有終の善 (2013年12月休業)  

ウィル キャピタル マネジメントは1997年の創業以来、一貫して革新的ライフスタイル事業の開発とインキュベーションに取り組んで参りました。
この所期の目的を満足はできないものの部分的には達成したと思料し、一旦その使命を満了することを決意致しました。 

創業より多くの先達、諸先輩や友人のご鞭撻ご指導を頂きましたことに、万感の想いを込めて、頭を深く垂れて厚く御礼申し上げます。
弊社は、京都に本店を移し、事業開発やプリンシパル投資などの主体として存続致しますが、創業以来のインキュベーション体制とチームを解散し、従来の事業展開からは撤退致します。 

代表の古我は一(いち)インキュベーション・キャピタリストとして初心に帰ってゼロベースからの再挑戦を致しますので、変わらぬご厚情を賜れば幸いです。
天から預かった命の尽きるまで一貫して、世の人々の幸せな生活文脈の鼓動と共振する、新しい実感的価値の創造に、一意専心邁進したいと存じます。 

守破離のオープンイノベーション (2019年3月第二創業)  

ウィル キャピタル マネジメントは代表の古我の独立系ベンチャーキャピタリストの役割と責任と実行を全うすべく活動を再開することを決意致しました。 

創業より70社を超えるスタータップやベンチャー企業の幾多の夢と使命感に溢れた起業と事業開発のチャレンジを微力ながら支援して参りました。東京と京都を中心として多くの現場の先輩や若手の仲間たちとともに、共通の目標と価値観をともに担いながら、その都度、オープンイノベーションの座組でチームをつくり、互いの力とケイパビリティを組み合わせて事業創造に一所懸命取り組んで参りました。 

それらの成果はあちらこちらで確実に芽吹いております。
この芽吹きの動きやプラットフォームをさらに末広にオープンに拡張していくことが、最後の社会的奉仕と使命であることを確信を致しました。
新産業革命の未来に問いかける実感的価値の創造を「破離」の境地で臨むべく、我々はそのオープンに広がるネットワークの原子核や起点になりたいと切に願っております。 

ともに歩んで頂く皆様方に心より感謝申し上げます。 

2019年初春
代表取締役 古我知史